開発ストーリーNo.2
すっきり軽快フィットシリーズ
紙おむつ使用方法の実態に対応する
近年の紙おむつ使用方法の変化としては、パッド併用の増加やパッドの大判化が進んでいます。パッドの大判化が進んだ背景には、介護者・被介護者双方の「朝までぐっすり眠りたい」、「尿量が多くても安心」というお客様のニーズがあります。このようなニーズに答えるためパッドの大判化が進んでいます。
当社パッド品種の推移からも、紙おむつ使用方法の変化を読み取れます。平成15年当社パッド品種数は6品種、平成23年当社パッド品種数は12品種と8年間で2倍の品種数となっております。その中でもパッドの大判化は顕著で、平成15年には1品種だったのに対して、平成23年には5品種と5倍に増加しています。
しかし、パッドの大判化にともない、紙おむつ装着時の厚みがアップするという問題が発生してしまいました。紙おむつ装着時の厚みがアップしてしまうと、ゴワゴワ・モコモコ感が増大し、「動きづらい」「違和感」を感じてしまいます。
紙おむつを装着していても、【快適に自分らしく生活したい】そんな願いをサポートするため、紙おむつの装着感を「すっきり」させる研究がはじまりました。
「すっきり」とした装着感と尿モレ対策への安心感
紙おむつ装着感で「すっきり」を実現するためには、紙おむつの厚みをスリム化することが必要です。しかし、吸収体(尿を吸収する部分)の厚みを減少させると吸収量が減少してしまい、尿モレやスキントラブルにつながってしまいます。
そこで、当社紙おむつ開発部門では、装着時のゴワゴワ・モコモコ感を解決するために『テープ止め』の吸収体厚みに着目しました。パッド併用が基本的な使用方法になっている現在、テープ止め自体の吸収能力はサブ的な役割が強く、テープ止めに求められる機能は、パッド併用時の装着感の向上・フィット感のアップが重視されるようになってきています。
そこで、ミーティングを重ねアイディアを出し合うことで、当社従来品と比べて吸収体の厚みを約40%スリム化したスリム吸収シートを開発しました。スリム吸収シートを開発することで、紙おむつ装着時の課題であった、装着時のゴワゴワ・モコモコ感を軽減することが可能になりました。
商品化前のモニター試験では、心配していた吸収量の問題も「原則パッドを併用するため問題ない」とのコメントを頂きました。「テープ止めがスリム化されたことにより、ゴワつきがなく体にフィットした」「ムレ防止に良さそう、ゴワつきも少ない」などのうれしいお声を頂きました。そこで、満を持して発売されたのがすっきり軽快フィットシリーズです。
スリム吸収シートで思わぬメリット発生
装着時のゴワゴワ・モコモコ感を改善する研究は思わぬメリットを生みました。それは、フィット感の向上です。スリム吸収シートを採用することによって、そけい部がすっきりし、ピッタリとお肌にフィットするので、すき間が出来にくく、尿モレを効果的に防止します。
快適に自分らしい生活を支援する、今日も研究・開発に取り組みます。
カミ商事では、紙おむつ説明会でヒアリングした内容を商品開発の参考にしています。現在の紙おむつが完成型ではなく、より良い紙おむつを追求する。熱い思いを胸に、今日も紙おむつの研究に取り組んでいます。